できるだけいろいろなことを書く

できるだけまじめなことと、くだらないことを書きます。ファシリテーションやグラフィックレコーディングと関係あることかもしれないし、関係ないことかもしれません。(当ブログにはアフィリエイト広告を利用しています)

「IT革命」でビジュアルファシリテーションしていた昔話

今は昔、20世紀最後の年に「e-Japan戦略」というものが立ち上がりました。当時の首相・森喜朗氏がイット革命って言ってたアレです。若者はWikipediaを読んでください。その一環として「IT講習会」という催し施策が全国の地方自治体で開催されました。

ja.wikipedia.org

21世紀に入ってまもなく、なぜか「県から派遣されるIT講習会の先生」の仕事をすることになりました。県内さまざまな市町の公民館などに出向いて、Windowsの基礎やWord、Excelの使い方を地域のみなさんに教えます。今でも謎のワードアート書類を見かけることがあるのは、私たちの責任かもしれませんごめんなさい*1

さて、とある中山間地域の町*2はとりわけ講習会の企画に熱心で、何度も呼んでいただきました。私はその町に行くのが大好きでした。アイデア豊富な担当者さん、受講者もご高齢ながら意欲のある方ばかり、そして町はずれの道の駅で食べる山の幸ランチ。会場もすてきで、地元の木材をふんだんに使った、小規模ながらも明るい雰囲気の図書館に設置されたPCルームでした。何から何まで最高です。

ただ一点、プロジェクターがないことを除いては。

画面の投影ができない環境で、1対多のPC講習はできるのか。

担当者の方が、ExcelやWordの画面をA1ほどに大きく引き延ばして印刷してくださいました。それをホワイトボードに貼って進めます。でもやっぱり、受講者には画面の細かい表示が伝わりません。なぜならそのPCルームに置かれているのはデスクトップPCで、しかも壁を向いて横並びだからです(そりゃ、図書館のPCだもの……情報端末として設置してたらそうなりますわね……)。席ががっちり固定! 遠い! 前*3で何かやっててもよく見えない!

それでどうしたか。

主要なアイコンやマウスポインタスクリーンショットを印刷し、厚紙に貼り付けて持参しました。ほぼ紙芝居です。そんなかんじでも最後にはみなさんExcelで関数入れてオートフィルなんかも普通にできるようになりましたので、人間すばらしいものです。 f:id:nummy:20201204155718j:plain

そして、よく考えるとプロジェクターで自分の画面を映しても、アイコンやマウスポインタはそもそも見えにくいわけです。拡大してもたかがしれてますし*4、全体の位置関係が分からなくなります。そこで私はどこの会場にもこのアイコン紙芝居セットを持って行き「はいこの形ですよー」とかやっていました。

今になって思うと、これもビジュアルファシリテーションといえる方法です。自サイトのプロフィールを書いているときにふと思い出しましたが、今も昔もやってることがあまり変わってないですね。

*1:デファクトスタンダード・FOMのテキストに書いてあったのです

*2:今は合併して某市の一部になりました

*3:前というか横

*4:WindowsMeとかWindows2000を使っていた時代のことですから、いろいろお察しください